2007年 07月 15日
本はレビューすんのめんどいので、最近読んだものをまとめてがーっと。
・ソロモンの指輪(コンラート・ロレンツ) 有名な動物行動学者・ロレンツ先生の愛情溢れる本。あくまで観察者の目線でいながらも、動物たちと果敢に関わるその姿勢に笑い混じりの感動を覚えた。 カラスになつかれ、口の中に虫を入れられるくだりがたまらん!(食べないと鼻の穴に入れられる) ・マクベス(シェイクスピア) シェイクスピアの中だと一番好きかなあ。超王道の悲劇…って、その王道を作ったのは彼の人なのですが。 マクベスの破滅の原因って、単純に自身の心の弱さだよな。犯罪であろうが正義であろうが、他人の意見に流されて起こす行動なんてすぐに駄目になるに決まってる。 ・不死の人(ルイス・ホルヘ・ボルヘス) 『アステリオーンの家』っていう短編がものすごく面白かった! アステリオーンでピンと来る人はかなりのギリシャ神話通。アステリオーンとはミノタウロスのこと。つまり、アステリオーンの家=ダイダロスの迷宮というわけ。 あとは読んで欲しい。 テーセウスが救済者だなんて! ・蝿の王(ゴールディング) 暗黒『十五少年漂流記』。人間というものがどれだけ残酷で自己中心的で愚かなのか、そして集団意識というものがいかに人間の判断力を失わせるのか。読む者をじわじわと絶望の淵に追いやる劇薬小説。後味悪すぎる。大好き。 しかし少年達あまりに馬鹿すぎないか…と疑問に思うこともしばしば。日本の子供だったらもうちょっとなんとかなっていたような気はします。 ・風姿花伝(世阿弥) 自分的日本ブーム到来!なので、手に取った一冊。 能の理論書だが、能に限らず芸術一般を志す者にとって役にたつ本だと思う。 背筋が伸びたぜ。 ・武士道とエロス 日本っていうのは古来より男色文化の濃いお国柄でありまして…江戸時代はそれがなおいっそう華やかに芽吹いた頃でもありました。その理由や歴史的背景、当時の文化世相などを論じた本。いやーおもしろかった。 ・神様のパズル(機本伸司) 「宇宙は造れるのか」を命題にしたハードSF。だが、表層はなぜかラノベ風味。 天才物理学者の少女穂水(ホームズ)と、冴えない理工学部学生の綿さん(ワトソン)が活躍するミステリと読むことも出来る。 物理学的なウンチクは非常に面白かったが、小説的カタルシスはいまひとつ。 ・シャングリ・ラ(池上 永一) 近未来の日本を舞台にしたバイオレンス環境問題SFなんだけど、最後のオチがなんとも右っぽくて笑った。 最強の戦闘能力を誇る美貌のオカマ─ロケットおっぱい─モモコさんのキャラが立ちすぎてて、主人公の超能力少女国子がかすむかすむ。 ストーリー的には「炭素税が導入された世界」とそれを利用して儲けようとするカーボニストたちの暗躍、そして東京に作られた巨大な空中都市『アトラス』を巡るテロリストと政府の戦い─。アトラスに秘められた謎とは、いったい何なのか…? って感じ。 途中ややグロい。 面白かったけど、論理が破天荒すぎてノリきれない部分があったぜ…。 例)光学迷彩が出てくるんだが、単に色を真似るだけでなく、素材そのものが変化する。山がいきなり銀座の町になったりする(幻影でなく本物)=炭素原子の結合を瞬時に変えることができるから。 えええええええ……。 わりとどんなトンデモ設定でも平気な私だが、きちんと騙してくれないと入り込めないYO! ・RIKO(柴田よしき) ・聖母の深き淵(柴田よしき) ・月神の浅き夢((柴田よしき) ・聖なる黒夜 上・下((柴田よしき) この5冊はほんとむさぼるように読んだ。 全部で3000ページ近くあったけど、徹夜に近い勢いで読んだ。 感想とか一言で言えないんだけど……山内練っていう人間を生み出してくれて本当にありがとう…とだけ。 うう……あいつほんとに好きすぎる……好きすぎて胸が痛い。 ■
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by mirimix2006
| 2007-07-15 02:48
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